オンライン診療を生かした健康経営の取り組み
近年オンライン診療は、従業員の健康管理をより効率的かつ効果的に行う手段として注目されており、企業の生産性向上や医療費削減にも寄与しています。本稿では、オンライン診療の概要とその利点、さらに健康経営への具体的な影響について詳しく探ります。
1. オンライン診療の現状のルール
デジタルヘルスの進展とパンデミック後の医療ニーズの変化に対応するため、規制緩和が進むオンライン診療の実施ルールとして以下の主要なポイントをご紹介いたします。
① オンライン診療の基本的な考え方
- オンライン診療は、原則かかりつけの医師が行うルールとなりますが、患者の基礎疾患状態が把握できる(過去の診療録、診療情報提供書、健康診断の結果、地域医療情報ネットワーク、お薬手帳)場合においては、かかりつけの医師以外でも初診からオンライン診療の提供が認められています。
② オンライン診療の実施方法
- 新型コロナウィルスの時限的措置の撤廃により、これまで一時的に認められていた音声通話でのオンライン診療が禁止となり、リアルタイムでのビデオ通話で診察を行う事がルール化されております。また、医師と患者間での身分確認が必須となります。
③ 患者と医師間の合意(診療計画書の作成)
- オンライン診療を利用するにあたっては、患者側からオンライン診療の利用の意向を明示的に確認し、更に診療計画書において具体的な診療内容や診療時間に関する事項、オンライン診療の方法などを記載した文書を作成し、患者側からの合意を得る必要があります。
④ お薬の処方
- オンライン診療において、お薬の処方まで認められておりますが、全ての薬が処方できる訳ではなく麻薬及び向精神薬の処方などは禁止されております。
オンライン診療を適切に行う事で、医療に対するアクセシビリティ(アクセスの容易性)が改善し、多くの人が医療に関わる機会が増え、予防的な治療や継続的な治療に対するハードルが下がることで、長期的には医療費の削減に繋がることが期待されます。
2. 健康経営にオンライン診療を取り入れるメリット
オンライン診療を健康経営の施策として取り入れることで、以下のようなメリットを期待する事が可能です。
□企業側のメリット
・プレゼンティーズム改善による業務生産性・効率の向上
・医療体制整備による企業価値向上
・健康診断の2次検診受診率の向上
・従業員の健康リテラシーの向上
□従業員側のメリット
・病院での待ち時間などの通院負担の軽減
・オンライン診療での通院時間の短縮化による時間の有効活用
・交通費や診療費負担などの金銭的な負担の軽減
・インフルエンザ等の感染症感染の予防
従業員の健康状態を維持・向上させる体制を整備する事により、健康な状態での就業環境が整い、業務のパフォーマンス向上が見込めます。更に、ひとりひとりのパフォーマンス向上によって企業全体の価値向上に繋がり、よりよい人材の確保や企業価値の向上を期待する事ができます。
3. 診察にかかる費用
オンライン診療も対面診療と同様に保険適用となっており、各個人の保険料率による窓口負担で診療を受けることができます。初診料や医学管理料は、対面診療と比べて87%と診療報酬が定められているため、対面診療よりも低い金額でオンライン診療を受診することが可能です。
4. オンライン診療を用いた健康経営の事例
株式会社ブレインスリープ社ではオフィスに設置しているオンライン会議用ブースを活用し、社員向けにオンライン診療を受診する際にプライバシーを確保できる診療スペースを確保しております。就業時間中のすきま時間でオンライン診療を受診し、お薬は自宅で受け取ることができるオンライン診療サービスの利用を促進する事で、社員がより業務に集中できる環境が整えられています。
ぜひ、皆様の企業でもオンライン診療を健康経営の取り組みとして取り入れ、社員の健康を維持できる環境を整備しましょう。
OFFICELINK CARE(オフィスリンクケア)は企業と従業員が業務の生産性やパフォーマンス向上を図る上で、欠かせないパートナーとして健康支援を行います。
「OFFICELINK CARE」のサービス詳細は公式HPよりご覧ください。https://www.officelinkcare.jp
記事作成者
ウェルネス事業責任者
三浦 拓也
当事業では「忙しい人にこそ、もっと自由な通院を」の理念の下、
オンライン診療を世の中へ広めるためのクリニック事業運営や
オンライン診療を用いた法人向けの取り組みを行っております。